尾田 静乃 店長

店長としては現在2店舗目。店舗が変わっても大事にしていることは、「みんなが楽しく笑顔で働くこと」です。

店長候補ということで入社をした６ヶ月後には、本当に店長に。不安はもちろんありました。でも、目指したいと思える店長さんが身近にいたことも、後押しになったんです。一番素晴らしいなと感じたのは、安心感。年齢は私の方が上なのに、その店長さんがいてくださるだけで安心できて、思い切り自由に接客ができた。一方でご自身は、会社のことも商品のこともよくわかっていて、お客様にしっかり寄り添うことを第一にしながらも、スタッフへの心配りも忘れない。自分が店長になった時に改めて、店長さんがいかに一人ひとりのスタッフが働きやすい環境を作ってくださっていたのか、自分はどれだけ接客にだけ没頭して楽しめていたのかを知ることになりました。

私は、接客の仕事が大好きなんです。店舗が変わっても、「お店変わったの？」なんて言いながら訪ねてくださるお客様。「尾田さん、こんにちは」と言いながらお店に入ってきてくださるお客様。お客様が私を笑顔にしてくださることは、たくさんあります。

でも最近は、スタッフの成長もまた、同じように嬉しく感じるようになりました。初めて店長を務めた時、経験が浅いスタッフが多かったけれど、「いらっしゃいませではなく、こんにちはと言える常連のお客様を作ること」「いつも笑顔で、売り場を明るく」ということを大事に、一緒に頑張ってきました。

接客経験がない初心者としてスタートしたスタッフが、お客様と笑顔で会話をし、お客様が楽しんでくださっている様子を、遠くから見た時。母心ではないですが、自分のこと以上に幸せな気持ちになるんです。

店長という仕事は当然、日々の売り上げもきちんと見ていかなければいけません。何をどうしたら売り上げにつながるのかは、考えるべきだと思います。でも、ひとつ言えることは、スタッフ一人ひとりが、楽しく接客をすることは、絶対。正解はわからないけれど、まずはそこからだと思っています。

お客様と直に接する仕事である分、嬉しさもあれば当然、難しさもあります。落ち込むことだってある。でも落ち込みながら、別のお客様とお話しさせていただいても、お客様は楽しくないし、心ここにあらずのやり取りは、必ず伝わります。だから、まず自分が楽しむこと。それは徹底しています。

なんてお話しながら、実は、数日前に店長として2つ目の店舗に着任したばかりで、まだわからないことだらけです。でも大事なのはやはり、みんなが働きやすい環境をどう作るかじゃないかな。

店舗が変われば、スタッフの年齢層や経験値も変わります。それはつまり、店舗が変われば、何が働きやすさなのかも変わるということであり、そもそも働きやすさは一人ひとりで違うということ。一人ひとりの働きやすさをどう作っていくのか。私自身が考え変化することで、実現していけたらと思っています。

実は、新しいことを始める時に、自分の中で大事にしているキーワードがあるんです。それは、「3か月と3年後」。慣れるまで３か月はかかる。そしてそれをクリアしたら、どこまでもいけるぞっていう意味です。最初に苦労するのは当たり前。沖縄出身らしく、なんとかなるさという「なんくるないさ精神」も、いつも心にあります。

販売員として考えれば、新しい商品が出れば、またその商品にまつわるエピソードを知りたいと思うし、それを自分のものにして、お客様に伝えていかなきゃいけない。それはずっと続くことで、終わりはありません。

店長として考えれば、店舗が変わればもちろんのこと、店舗が変わらなくてもスタッフが一人変われば、店長としてのかかわり方は変わるはず。店長としてどうあるべきか、どうサポートすれば一人ひとりが楽しく働けて、いいお店になっていくのか。これもまた、ずっと続いていくことで終わりはないんだなと思うんです。

でも、学び続けることは私の性格にはぴったり。挑戦の連続は、嫌いじゃありません。まだ着任したばかりですが、これからも色んな店舗を経験したいなっていう気持ちが芽生えているくらいですから。

中川政七商店というブランドを背負いながら、つくり手の皆さんの思いを抱えながら、そんな責任感で店舗に立っているスタッフのみんなと、「また来たいな」と思っていただけるお店を。楽しみながら作っていけたらと思います。